2019年10月20日

月と人の姿で表した...「肥」

20191017_kanji_01.png  天高(てんたか)(うま)()ゆる、食欲(しょくよく)もりもりの(あき)だよ。でも()()ぎると(にく)()いて(ふと)っちゃう...。そう、「肥える」とも()うね。そこで今回(こんかい)は、「()」を()()げるよ。
 (うえ)金文(きんぶん)()てみよう。(ひだり)(がわ)の「(つき)」は、先週(せんしゅう)()てきた「(そら)()かぶ(つき)」ではなく、「にくづき」と言って(ひと)(からだ)一部(いちぶ)()すんだ。(みぎ)側の「()」は、ひざまづくと太ももの(あた)りが太くなるように見える(かたち)から、「ふくらむ」の意味(いみ)がある。だから「肥」は、月と人の姿(すがた)で「太る」「太らせる」の意味に使(つか)われるんだ。
 さらに「肥える」には、経験(けいけん)努力(どりょく)知恵(ちえ)(ちから)が付く意味もあり、「(くち)(した)が肥える」とか、「(みみ)()を肥やす」などと使われるんだ。
 もちろん、ラクをして「私腹(しふく)を肥やす」のは絶対(ぜったい)にいけません! これからも()をたくさん(おぼ)えて、「(しょ)()くの秋」になれ!
(産経国際書会副理事長、勝田晃拓)

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