2019年11月 3日
鍋にふたを合わせた形...「会」
町でばったり友人に出会うことがあります。「会」は「會」がもとの漢字です。左上の金文は、「」(鍋にかぶせる蓋)、「」(蒸し器に食物を入れた形)、「」(鍋をのせる台)で、食物を蒸したり炊いたりする鍋に蓋を合わせた形の象形文字です。鍋に蓋をのせ合わせることから、「あつまる」「ふたをする」「あう」の意味になりました。「會」の「」を取ると、「曾」と同じ蒸し器を表す字になり、重ねることを示し、「層」(尸=屋根の形)が重層の意味になります。
「会」が「会合」の意味で使われるのは後年のことで、古くは「」(人の集まり)が使われました。「」(祝詞を入れる器)を「」(掩蓋=大きな蓋)で封じ、これを「合」といい、人の集まりを「」、集まって顔を「」わす「」、互いに向かい合って坐すことを「す」と用いていました。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)
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