2019年11月24日
字の中に月が隠れている...「夜」
「秋の夜長を楽しむ」という言葉がありますが、この時期はつい、「夜更かし」してしまう方も多いのではないでしょうか。今回はこの「夜」について見ていきます。「夜」の成り立ちは、上の篆書体を見るとイメージが湧きやすいと思います。「夜」のもとの字は、「大」と「夕」とが組み合わさった形ということが、何となく分かりますね。「大」は「人が手足を広げて立つ姿を正面からみた形」、「夕」は「夕方の月の形」を表します。「人のわきの下から月が表れている状態」、つまり「月が姿を現すような時間帯=夜」の意味に使用するようになったとされています。
冬が近づくにつれ、空気も澄んできます。晩秋の夜空がますます美しく感じられますね。
(産経国際書会評議員、鈴木暁昇)
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