2019年12月29日
三つの鋤で助け合い耕す...「協」
喧嘩している三兄弟に父が言ったよ。「この束ねた三本の矢を折れるか?」って。一本なら簡単に折れても、三本一緒だと誰も折ることができなかったので、三人は、協力すればそれだけ力強くなることがわかり仲直り。上の、「協」の金文を見てごらん。右側の「」は、力(鋤の形をしている)三つの組み合わせだね。これは農耕の時、協力して耕すことを示している。昔は農作業を共同で行う必要が多かったんだね。左側の「」には、一つにまとめるという意味があるから、力や心を合わせて物事を行う、助ける、という「あわせる」「ともにする」「かなう」の意味になったんだ。「協調」「協議」「協賛」「協定」などと使う。そういえば、金文は、ラグビーのスクラムの形にも見えるね。
ところで、「共同」と「協同」はどう違うのだろう。すぐに妥協しないで、分かるまでトライしよう。令和元年も間もなくノーサイド。良い年を迎えてね。
(産経国際書会副理事長、勝田晃拓)
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