産経国際書会

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神の威光を示す「陽」

 梅雨つゆの晴れ間には、太陽の日差ひざしが木の葉をかして、色々いろいろなやさしい緑を見せてくれます。

 左上の「陽」の金文は、神霊しんれいが天と地を上り下りする梯子はしご)・霊力れいりょくを持つぎょく)・(玉をのせる台)・(玉の光が下に向かって放射ほうしゃする形)―からなっています。

玉の霊力とは、人が玉光ぎょっこうを受けることで何かを感じ取り、生き方や考え方を元気にしてくれる効果こうかがあります。これを「魂振たまふり」といいました。

 「陽」とは、この霊力を持つ玉により神の威光いこうしめす文字でした。

 後に、日・太陽の意味となり、太陽の光が差すと「あたたかい」の意味も生まれました。

 陽の反対は「いん」ですが、中国では万物ばんぶつを陰と陽にあてはめた「陰陽思想おんみょうしそう」が生まれ、この考えは後年、「陰陽道おんみょうどう」として、日本にも伝わりました。

(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)