産経国際書会

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実った稲を摘み取る「穂」

 暑い夏がぎると、稲穂いなほ黄金こがね色になり、頭をれてきます。頭を垂れた稲穂の形「禾」(カ)から、秋、穫、穂、稲などの文字ができました。そこで、今回は「穂」です。

 穂の正字は「」(スイ)で(スイ、 )+禾()の会意かいい文字と、説文解字(中国最古の字書)は説明し、現在もこの説が主流となっています。

 手を表す  は実った稲を指先でみ取ることを表していて、そこから、「ほ・ほさき」という意味になりました。

 私たちが今書いている「穂」はぞく字で、恵の音がケイ→スイに変化し、垂れさがるや、垂れたいねの先の意味を示し、・穂・穟は、同音同義(同じ音と同じ意味)の文字とされています。

 中国長江ちょうこう中流域で6500年前の遺跡いせきから発見されたコメは日本種と同系とのこと。

 文字も米も、悠久ゆうきゅう歴史れきしを感じます。

(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)