2020年1月19日
筋道をはっきりさせる...「理」
「理」という文字の意味を調べてみると、「ことわり」「きめ」「すじ」「おさめる」などがあり、人名では、「おさむ」「まさ」「みち」などと読みます。「理」は、上の篆文や楷書を見れば分かるように、音を表す「里」と、意味を表す「玉」とが合わせてできた形成文字です。
古代中国で翡翠などの宝石は「玉」と言われ珍重されました。「玉磨かざれば光なし」ということわざがありますが、「玉」は、美しく光るように磨きあげられ、そして表面に現れた美しい文様(文理)のことを「理」と言ったのです。
玉の整った筋目(文様)は、物事の筋道の意味に転用され、「条理」「道理」という言葉が生まれました。物事をあるべき姿に整える「管理」「理事」、身体の基礎体力を保存したり、おいしい食物を作ったりする「料理」「調理」、髪をきれいに「理髪」する、部屋を「整理」する、などと使います。人の皮膚にも「肌理」(きめこまかいこと)があるといい、人情は「情理」ともいいます。「理」の意味を「理解」できたでしょうか。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)
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