2020年3月 8日
もっぱら手でこねて打って丸める...「専」
将来の夢は何? 「僕は科学の勉強を専門にやりたいな」「私は料理の専門家になりたいの」...そこで今日は「専」を取り上げます。前回の「博」で、右側が似ていると言ったよね。でも実は成り立ち、発音も違うし、何より右上に点は無いんだ。
「専」の元の字は、「專」で、「叀」と「寸」の組み合わせだ。左の金文を見ると「叀」は上部を括った袋の形()で、その中に物を入れ、手(「寸」=)で打ち固めるということ。うどんやパンの生地を手でこねて丸めるようなものだね。そこから「まるめる」「うつ」「一つのことに打ち込む」の意味になったよ。
固めたあと、丸い形にしてさらに外から包んだ形が「団」(團)、固めた土を焼いて瓦にしたものを「塼」というんだ。袋の中の物をひたすら打ち固めることから、「もっぱら」の意味も出てきたんだね。「専心」「専属」「専用」などと使い、「伝」や「転」の字も昔の字は「傳」「轉」のように「専」があるよ。
ところであなたの夢は? 「医学専攻の人と結婚して専業主婦に専念するの♡」 うーむ...
(産経国際書会副理事長、勝田晃拓)
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