2020年3月15日
月があるのに太陽が...「朝」
今年は春の訪れが早く、朝起き(早起き)が楽になりました。そこで、今回は「朝」を考えました。朝の甲骨文は、(草の多いところ)の間に太陽(日)が出て、まだ月影が(☽)残っている形で、字全体が象形で、「早朝」の意味を示す会意文字です。会意とは、「人」と「木」からできている「休」が、人が木に寄りかかって休む姿を表すようなものです。
甲骨文より時代が少し下る金文では、朝は旁の月が、岸辺に流れる水の形(・・)に描かれ、潮の干満の意味を示す字が作られています。
古代、天子は大勢の官僚を従えて、朝夕の礼(朝日を迎え、夕日を送る儀式)を廟奥(びょうおく、ひさしの深い建物)で行っていました。
やがて、太陽を迎えると同時に廟前では政務が行われるようになり、朝政・朝廷などの言葉もできました。
「朝起きは三文の徳」。今でも農作業は太陽と共に行われています。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)
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