2020年5月10日
カメの甲羅に穴を開けて...「冊」
冊という文字を取り上げます。木ヘンをつけた「柵」のもともとの文字です。数本の不揃いの棒がまっすぐに立っています。これは亀甲を横から見た形です。楕円は亀甲に穴をあけて紐を通し束ねたことを示しています。古代中国では政治を行うのに亀甲で吉凶を占い、文字を刻していました。
後に竹や木を幅1センチ、長さ30センチほどに加工し、文書、書物、手紙として用いられ、これも冊と呼んでいました。それが転じて、本を1冊、2冊と数える助数詞となりました。
(産経国際書会副理事長、高橋照弘)
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