2020年6月 7日
地霊 呼び起こす「興」
余興でかくし芸をやるんだけど、今から興奮ぎみ...。今日、取り上げる手の込んだ字「興」は、なんと16画もある。金文では「同」と「臼(きょく)」と「 (きょう)」の組み合わせで、中央の「同」は「凡(はん)」と「口(こう)」からできている筒の形の酒杯だよ。それを上の両手()で持ち、更に下の両手()が支えているよ。古代中国の周時代(紀元前1046年頃~同256年)には各地の王が集まり、(同)筒形の酒器を使った儀式(会同)をよくやっていたよ。同の中には神への祈りを意味する(サイ)があるから、「興」は酒が入った同を人々が協力して持ち、大地に酒を降り注ぎ、地霊を呼び起こす儀礼を指すんだ。
そこからすべてのものが(おこる、はじまる、おこなう)や、(さかんになる、おもむき)の意味になり、興味(面白い気持ち)、再興(ふたたびおこす)、興趣(味わいの深い面白み)などと使うよ。
そういえば、紹興酒もおいしいよね。
...興冷め!
(産経国際書会副理事長、勝田晃拓)
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