2020年6月28日

神の威光を示す「陽」

20200625_kanji_01.png  梅雨(つゆ)の晴れ間には、太陽の日差(ひざ)しが木の葉を()かして、色々(いろいろ)なやさしい緑を見せてくれます。
 左上の「陽」の金文は、20200625_kanji_03.png神霊(しんれい)が天と地を上り下りする梯子(はしご))・20200625_kanji_04.png霊力(れいりょく)を持つ(ぎょく))・20200625_kanji_05.png(玉をのせる台)・20200625_kanji_06.png(玉の光が下に向かって放射(ほうしゃ)する形)―からなっています。
玉の霊力とは、人が玉光(ぎょっこう)を受けることで何かを感じ取り、生き方や考え方を元気にしてくれる効果(こうか)があります。これを「魂振(たまふ)り」といいました。
 「陽」とは、この霊力を持つ玉により神の威光(いこう)(しめ)す文字でした。
 後に、日・太陽の意味となり、太陽の光が差すと「あたたかい」の意味も生まれました。
 陽の反対は「(いん)」ですが、中国では万物(ばんぶつ)を陰と陽にあてはめた「陰陽思想(おんみょうしそう)」が生まれ、この考えは後年、「陰陽道(おんみょうどう)」として、日本にも伝わりました。
(産経国際書会常務理事、眞田朱燕)

20200625_kanji_02.png