2020年9月 6日
ごちそう囲み 助け合って暮らす「郷」
新型コロナウイルスの影響でお盆休みに故郷へ帰れなかった人が大勢いたよね。「郷」という字は、もとは「鄕」と書くよ。金文で見ると「卯(ぼう)」と「 皀(きゅう)」の組み合わせで、「卯」は人が向かい合って座る形で「皀」は「(き)」が先祖の祭の食事を盛って備える器だよ。宴会でそのをはさんで2人が座る形だから、(むかいあう)の意味になる。そこに座る身分の者を卿(大臣)といい、のちにその領地の意味を含めて の左右に「邑」(□...四角い土地)と「」(屈んだ人の姿)の人の住む「さと・むら」を加えた「郷」の字が作られた。
だから「鄕」と「卿」は同じなんだ。そこから、人々が互いに向かい、助け合う仲間として暮らす「むら」を指すようになったんだ。
(いなか・ふるさと)を意味するから(郷土愛、郷愁を誘う、同郷の好)とか聞くよね。
GoToトラベルでどこか行きたい―、温泉郷も悪くないね!
(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)
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