2020年9月13日
川のそば 安全を祈る姿「順」
おや? プイッとふくれ顔。人から注意されたら、その方に頭を向けて素直に従う従順さが大切だよ。「順」の金文を見てごらん。左の「川」は川の流れ。「頁」は儀礼用の帽子をつけて拝む人を横から見た姿で、成りたちは川を渡る時の儀式なんだ。
水際で親を祀って祈り、安全を確かめてその決まりに従って川を渡った。金文にはその水際と同じ形の「瀕」もあるよ。元は神意に従うことだったけど、道筋に沿って水が流れるように、相手の言うことや、道理に素直に頭を向けて従うことを表し、そこからすべてに従う(逆らわない、素直)意味や、(順風、順当、順応)更に、(順位、順延、道順)と使うんだ。
因みに、「川」の付く字(巡、訓、馴)は決まりに沿って何かを貫くことに関係するよ。ここまで順調に理解できたかな? また順次、新しい漢字を紹介するよ。順不同で...。
(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)
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