2020年9月20日
実った稲を摘み取る「穂」
暑い夏が過ぎると、稲穂が黄金色になり、頭を垂れてきます。頭を垂れた稲穂の形「禾」(カ)から、秋、穫、穂、稲などの文字ができました。そこで、今回は「穂」です。穂の正字は「」(スイ)で(スイ、 )+禾()の会意文字と、説文解字(中国最古の字書)は説明し、現在もこの説が主流となっています。
手を表す は実った稲を指先で摘み取ることを表していて、そこから、「ほ・ほさき」という意味になりました。
私たちが今書いている「穂」は俗字で、恵の音がケイ→スイに変化し、垂れさがるや、垂れた禾の先の意味を示し、・穂・穟は、同音同義(同じ音と同じ意味)の文字とされています。
中国長江中流域で6500年前の遺跡から発見されたコメは日本種と同系とのこと。
文字も米も、悠久の歴史を感じます。
(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)
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