2020年9月27日

祈りの効果を封じ込める「結」

20200924_kanji_01.png  実りを感謝(かんしゃ)する秋祭りの季節(きせつ)です。
 神社をお(まい)りする人も多く、おみくじを引く人も多いでしょう。「(きち)」が出ました。境内(けいだい)のご神木の生命力にあやかり、(ねが)い事がかなうよう、おみくじを(えだ)(むす)んで帰りました...。今回は「結」です。
 糸と吉の形声(けいせい)文字「結」は左の金文を見てください。20200924_kanji_03.png(サイ、神に願い事をする(うつわ))の上に 20200924_kanji_04.png邪悪(じゃあく)なものを(はら)うための(まさかり))を()き、(いの)りの効果(こうか)(うす)れないよう、鉞で(ふう)()め、願いが実現するよう(ねん)じました。吉の祈りの効果は、20200924_kanji_05.png(糸)でもしっかり結ばれました。
 結は、封じ込めた吉を、(さら)に糸でしっかり結び守る文字となったのです。
 ひもを結ぶ、(かみ)を結うなどの(たば)ねる意味では、団結(だんけつ)、結束、結合、結婚(けっこん)...。出来上がる意味では、結果、結実、結論(けつろん)起承転結(きしょうてんけつ)...。たくさんありますからみなさんも調べてみましょう。
(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)

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