勇気のあるなしを問う「義」

　「義(ぎ)」は羊と我(われ)からできています。義は、正しい、正義、人のために尽(つ)くす...などの意味があります。
　羊は古代から家畜(かちく)として飼(か)われ、衣服(いふく)や食用として利用されてきました。羊が大きく肥(こ)えたものを「美しい」としました。
　我は、「ガ」で雅(が)の正しい意味と共用しています。最古の漢字字典である「説文解字(せつもんかいじ)」には、威儀(いぎ)、礼にかなった立派(りっぱ)な行動 ― とあり、論語(ろんご)では「義ヲ見テ為(な)サザルハ勇無(ゆうな)キナリ」とあり、人として正しいことを知りながらそれをしないのは真の勇気がないのだ、と言っています。
　人として、「義」の意味を考えることが大切ですね。
（産経国際書会副理事長、高橋照弘）