2020年12月 6日
昇るだけではだめ?「堂」
「堂(どう)」は、土と尚(しょう)からできている文字です。土を盛った質素な家、そこから転じて立派な建物のことを「堂」と言います。のちには、「殿(でん)」とも呼ばれました。尚は八(分かれる)と、向(きょう)という換気や明り取りの高いところに作られる窓の意味があります。
堂は公的な場所で役人の仕事場、またはお客様をもてなす場所となっていきました。私的な場所として「室」があります。
論語にある、「堂ニ升リ室ニ入ラズ」は、建物には登ったがその奥にある部屋にはまだ入っていない。つまり、学問や技芸が進んでも、最高の境地に入っていないことを説明しています。
物事を極めた人が入るところが「殿堂」というのもわかりますね。
(産経国際書会副理事長 高橋照弘)
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