2021年1月24日

糸を切ることが「断」

20210124_kanji01.png  小学5年生で習う漢字に「(だん)」という字があります。 昭和の初めの(ごろ)出版(しゅっぱん)された漢和辞典(じてん)には 「斷」 と出ています。 この字は「20210124_kanji03.png」の中に糸が4つ。これは、より集めた糸、 右(がわ)はそれを(おの)()ち切っている様子を表しています。よって「切り(はな)す」 から 「たつ」 という意味に使われるようになりました。
 今、 私たちが使っている「断」は昔とだいぶ(ちが)っていますね。糸が米に化けたわけではありません。 昔から文字は、簡単(かんたん)に書けるように合理化されていました。中国で1400年ほど前に書かれた石碑(せきひ)にも 「断」 という字があります。
 日本では昭和24年に政府が(むずか)しい書き方をやめてみんなが当面の間、簡単に書ける字にしようということで「当用漢字」というものを決めました。この当用漢字は平成22年、今に(いた)る「常用(じょうよう)漢字」に引き()がれています。
(産経国際書会常務理事 町山一祥)

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