2021年2月 7日
春の花だけじゃない「梅」
「梅さけど 鶯なけど ひとり哉」一茶。今回は春の花「梅」についてお話ししましょう。小学校4年で学ぶ文字になります。音読み=バイ(メ、マイ) 訓読み=うめ 部首=きへん つくり=毎―になります。
「梅」は、会意と形声―それぞれの性格を持ちます。会意では「木」+「毎」。形声では「毎」からマイ、バイとなります。その「毎」については諸説ありますが、象形文字で会意と形声を兼ねたものと思われます。髪を結い、かんざしをつける女性の姿で、「毎」は髪を結った「母」を表します。
「梅」は沢山実をつけ、中国では古くから薬として、妊婦を助けることから縁起の良いものとされていたようです。さらに、草木が茂る意味から美しく茂る木「梅」を意味することで漢字が成り立ちました。
平安時代の医学書に、「梅は三毒を断つ」という記載があります。三毒とは、「血毒」(血の汚れなど)、「水毒」(水あたり)、「食毒」(食あたり)―で、それを解毒するのに、梅干しがいい、という説です。
日ごろから梅干しを食べて、元気な毎日をすごしましょう。
(産経国際書会常務理事 山本晴城)
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