2021年8月 8日

矢を折り、神に誓う...「知」

20210805_kanji_01.png  前回に(つづ)き、「矢」に関連した文字である「知」についてお話します。
 矢を()って団結(だんけつ)(ちか)い、悪霊(あくりょう)(はら)うため破魔矢(はまや)()る―。通し矢(遠距離(えんきょり)の的に矢を多数射ること)を放って場所を清める...など、古来、矢は神(せい)なものとされてきました。
 「知」は、矢(20210805_kanji_03.png)と口(20210805_kanji_04.png)の、文字を2つ以上組み合わせる会意文字です。 20210805_kanji_04.pngに、祭りの()式に(とな)える祝福(しゅくふく)する言葉である祝詞(のりと)を入れて(いの)り、矢を折って神に誓うことで、神の意を明(かい)に知ることができました。そこから、「知る」という意味になったのです。  知人、知()(親友のこと、知音(ちいん)とも言う)、知恵、知(のう)...、都道府県の行政(ぎょうせい)のトップである知事などなど、たくさん使用(れい)がありますね。これで新しい知(しき)もひとつ()えましたか。
(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)

20210805_kanji_02.png