2021年8月 8日
矢を折り、神に誓う...「知」
前回に続 き、「矢」に関連した文字である「知」についてお話します。矢を折って団結を誓い、悪霊を祓うため破魔矢を射る―。通し矢(遠距離の的に矢を多数射ること)を放って場所を清める...など、古来、矢は神聖なものとされてきました。
「知」は、矢()と口()の、文字を2つ以上組み合わせる会意文字です。 に、祭りの儀式に唱える祝福する言葉である祝詞を入れて祈り、矢を折って神に誓うことで、神の意を明快に知ることができました。そこから、「知る」という意味になったのです。 知人、知己(親友のこと、知音とも言う)、知恵、知能...、都道府県の行政のトップである知事などなど、たくさん使用例がありますね。これで新しい知識もひとつ増えましたか。
(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)
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