2021年10月17日
降参だ、従いますよと誓う「服」
「敵の報復を受け遂に降服したとの報告」・・・。この文中の「服」と「報」、右側の部分が同じだね。そこで、今日は「服」を説明するよ。この字は「月」と「」に分けられる。「」は金文を見ると、跪く人(卩)を後ろから手「又」で押さえ付ける形になってるね。左側の「月」は舟の形で、実は水を入れる盤を表すんだ。儀礼の時に使う神聖な器だよ。その盤の前に人を跪かせ、後ろから押さえ付け、「負けました」と、降服させる儀式を表した形の字なんだよ。つまり人を屈服させる様子から屈服させられる側の「したがう・おこなう・はたらく」の意味になった。服務・服役(仕事に就く・労役に従う)、敬服(心から尊敬する)、服従(他の命令に従う)などと使うね。やがて、着る服にも用いるようになったよ。服用(薬を飲む)、心服(敬うように尊敬して従う)とも使うね。ところで洋服は一着、二着と数えるよ。一服、二服はお茶や薬を飲む時だね。でも「一服盛る」はちょっと怖いなぁ~。ここまでで不服ある人?(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)
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