2021年11月14日

善・悪両方の意味に通用する文字「癒」

20211112_kanji01.png  (やまい)に関する文字には「20211112_kanji03.png」(やまいだれ)がつきますが、進行している病は疾病(しっぺい)、快方に向かい、治るのを治癒(ちゆ)といいます。
 癒は教育漢字にはなく常用漢字に該当します。
 「20211112_kanji03.png」(20211112_kanji04.png)と「20211112_kanji05.png」で「癒」ですが、「20211112_kanji05.png」のもとの字は()で、患部を切除する長い針(20211112_kanji06.png)で とった(うみ)を皿(盤・)20211112_kanji07.pngに移すことを表している字です。その行為により、痛みや苦しみから解放され心が安らぐことから、()やす、癒やされるとなりました。
 体内の病の一部がそばの部分とくっついてしまうことを癒着(ゆちゃく)といいます。
 また、政治経済の世界でも、私利私欲(しりしよく)のため悪い関係をもつことを癒着といい、今では「癒」は善・悪両方の意味に通用される文字と言えそうです。
 (産経国際書会常務理事 眞田朱燕)

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