2021年12月19日
「台」には2通りの漢字がある?
今回は『土台』などに使用する『台』について見ていきます。『台』の字体は『臺』と『台』の2通りがあります。現代では『台』を一般的に使用します。『臺と台』とでは、ずいぶん画数も違いますが、別々の成り立ちがあります。まず臺を分解すると『土+高+至』になります。『至』は『矢が到達すること』を示し、重要な建物を建てるときに、矢を射てその建設場所を選定していたとされています。そのようにして建てられた建物を『臺』とよび、『見晴らしの良い高い建物』の意味に用いられました。
一方、台には、もともと『高い建物』の意味はなく、『ム(道具)+口(人間)』で台となり、『人間が道具で何かを始める』から、『始める』、『基礎となる』、『やわらげる』のような意味となりました。
このように同じ意味でも成り立ちが異なる『臺と台』、興味深いですね。
(産経国際書会理事 鈴木暁昇)
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