2021年12月26日
「室」はもともと先祖の霊を祭る神聖な部屋だった?
ここ1、2年は『室内』にこもる時間が増えた方も多いでしょう。今回はこの『室』について見ていきます。『室』を分解すると『宀+至』になります。『宀』は先祖の霊を祭る建物(廟)などの屋根の形を指します。一方で『至』は『矢が到達すること』を示し、廟や宮殿など重要な建物を建てる時には、まず土地選びをしますが、矢を射てその建設場所を選定していたとされています。このように、室はもともと『先祖を祭る部屋』の意味でしたが、のちに『人の住む部屋、家』の意味となり、『家族』の意味も含むようになりました。なお、同系統の漢字として『屋』『臺(台)(前回記事に掲載)』があります。
だいぶ寒い時期になってきましたが、定期的に室内の換気をしながら、この冬も乗り切りましょう。
(産経国際書会理事 鈴木暁昇)
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