2022年1月23日
馬でゆく道の途中にできた「駅」
駅チカで全国駅弁祭りがあるんだって。そこで「駅」を取り上げるよ。旧字は「驛」で、金文を見ると、右の「睪」は獣の死体を表し、上部「罒」が目、下部の「幸」は肢体(手足)だよ。死体はやがて分解するので、「睪」はバラバラに解れて長く続く状態をいうんだね。昔は長い道を馬に乗って移動した。途中には宿が建ち、馬を乗り換える「厩」もできたんだ。だから、驛は長い道路に連なって置かれた「厩」を指すよ。中国秦漢時代には主街道に驛(30里ごと)を置き、馬を用意して荷物の載せ替えや、旅人を泊めていたよ。日本に同じような驛があり、鉄道の時代になっても「駅」というんだ。そういえば、正月に箱根駅伝があったね。駅で荷物や手紙を載せ替えて次に伝えるところから、駅伝という熟語が生まれ、一本の襷をつないで走る駅伝競技は日本で始めたんだ。競走だけでなく心を繫ぐことを大切にする日本人らしいスポーツといえるね。
♪次は~終点、東京駅~。
(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)
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