2022年2月20日

食べても余っている食物「余」

20220218_kanji01.png  鐘をつくと響きが残り、それを余韻(よいん)といいます。自分とは関係ない余所事(よそごと)余程(よほど)自信があるらしいなどと使う「余」は、常用漢字でもとの字を「餘」と書きます。
 「餘」の「食」は食べ物、「余」は満ちている意があるといわれ、説文解字(せつもんかいじ)(最古の字書)では、「(あお)きなり」と説いていて、食べても余っている食物のことを言い、あまる・あまりの意味になりました。
 前回紹介した「除」の「余」は把手(とって)のある大きい針(邪気(じゃき)を除去するための呪具(じゅぐ))で、「餘」の「余」とは別の字であるといわれています。
 また、「余」は「予」と同音で、自分のことを示す「われ」の意味にも使われています。
 「余は満足じゃ」と、どこかで聞いたことありませんか?
(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)

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