2022年7月10日
みにくい心、心苦しいから転じた言葉「悪」
今回は「悪」についてお話しします。「悪」はわるい、にくむ、みにくい、などの意味があり、篆書体では「」と書きます。「亜 ()」と「心 ()」が組み合わさってできており、「亜」は説文解字(最古の字書)では「背中がまるくとび出ている小さな人」とあります。その「亜」に「心」をつけて、みにくい心、心苦しいとなり、そこから転じて、わるい、にくい、となりました。最近SNSでしきりに人の悪口を言っているのを見かけます。孔子は自分がされて不快に思うことは人にしてはいけないと説き、論語でそれは「恕」、おもいやりだと言っています。
(産経国際書会理事長代行 髙橋照弘)
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