2022年8月14日

襟元から鳥(隹)が飛び立つ「奮」

20220814_kanji01.png  古代の人々は人が死ぬと霊魂は鳥の形になって衣服の襟元(えりもと)から抜け出ていくと信じたらしいよ。
 そこで今日は「奮」を見ていこう。金文ではそれがよくわかるんだ。
 上下左右を合わせた20220814_kanji03.pngが衣、真ん中の20220814_kanji04.pngが隹(鳥)で、下部の20220814_kanji05.pngは鳥の足を留める道具を指すんだよ。前回の「難」と同じ「隹」が入ってるね。
 なので、字形の意味は「衣の中で足を留められた鳥がバタバタと羽ばたいている」ことを表すよ。衣は死者に着せたもので、隹は鳥の形をした死者の霊、それを死者の衣の中にとどめるために、代わりに鳥を衣の中に閉じ込めたんだね。当然、鳥は逃げようとものすごい勢いで羽ばたくよね。
 そこから鳥の羽ばたきのように「はばたく・ふるう・はげむ」意味になった。・奮起・奮発・奮闘・発奮・奮戦と使われるんだ。
 まだ暑い時だからあまり興()しないでね。
 (産経国際書会副理事長 勝田晃拓)

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