2023年2月12日
布を織る、たて糸を表す「経」よこ糸を表す「緯」

地球儀を見ると、縦に
経線、横に
緯線があるよ。「経」の旧字は「經」で、右側の「
巠」は金文で見ると、
機織にたて糸をかけ渡し、下部に「工」の横木をつけて、糸をピンと張っている形。「糸」
偏と組み合わさり、たて糸を指すよ。そこに一本ずつよこ糸を通して、布を織るんだ。「緯」の右側の「
韋」は金文で見ると、「

」(都市を取り囲む城壁)の上下を足「

」が左右に
巡る形なので、それが織物のよこ糸を織る状態に似ているところから、よこ糸を指すよ。「
経緯」とは
縦糸と横糸から織物が出来ることから「いきさつ・成り行き」の意味になったんだ。経緯の意味から経過(事の成り行き)、経験、経営などと使うね。さらに経(もとになる経糸の意味)から
経典(もとになる教え)、
経文もあるね。
(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)