2023年5月28日
多くの口(サイ)を木に結び付け手で「操」る 口三つ 神が天から「臨」み見る
前回に続いて、口を持つ漢字を取り上げます。先ずは「操」。扌(手)・品・木から成り立ち、多くの(口・祈りの器)を付けた木を手で持って願いが叶うよう祈る形だよ。確り持って操るので、(もつ・とる・あやつる)の意味になるよ。「操作・操縦・操業」と使うね。訓読みでは(みさお)と読み、一心に祈ることを指し「情操・節操」と用いる。次の「臨」の金文「」は臥・品の組み合わせで、「臥」は人が俯いて()、大きな目(臣)で下方を見る形だね。「品」はを並べた形。古代人は祈りを捧げる様子を神様が見下ろすと考えた。それで(のぞむ・見下ろす)の意味で「臨海・君臨・臨床」と使うよ。出産間近な「臨月」にも、祈りの形が入っているんだね。
(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)