2023年6月18日
難しい漢字を覚(おぼ)える「覚」
小学4年生で習う「覚」の話をしましょう。この字は、古くは楷書では「覺」と書かれていましたが、昭和21(1946)年、当用漢字表の告示で現在の「覚」になりました。複雑で覚えにくい漢字を易しく覚えやすいように改変したのが当用漢字で、それをもとに昭和56(1981)年、常用漢字へと引き継がれました。「覺」は20画あるのに対し、「覚」は12画と画数も減って時短にもつながっています。では昔の人は、書く速さは必要なかったのでしょうか。いえいえ、そんなことはありません。昔の人は、それを行書や草書といった書体でカバーしていました。また、部分を省略するということもしてきました。いわゆる異体字というものです。「覚」の異体字は「覐」になります。「覚」えられますか?
(産経国際書会副理事長 町山一祥)
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