2023年8月 6日

いろいろな色が集まり、入りまじる「雑」

20230804_kanji01.png  「雑草(ざっそう)という草はない」という名言が植物学者の牧野富太郎にはあるね。今回は「雑」を見るよ。
 旧字は「雜」。分解すると「衣」と「集」で、集の旧字は(しゅう)(ふるとり)は鳥の形(金文)だから、木の上にたくさんの鳥がとまる形から集まる意味に。ちなみに隹に似た(かん)はミミズクで、(かん)はコウノトリを表すんだ。雑は「衣」と「集まる」の組み合わせで「多種の草木の染汁(そめしる)を集めて、さまざまな色の衣を作ること」を指し、多種の草木の色がまじることから「いろんな・こまかい」という雑音(ざつおん)雑貨(ざっか)雑務(ざつむ)雑役(ざつえき)や、「入りまじる」意味で雑居(ざっきょ)雑然(ざつぜん)混雑(こんざつ)複雑(ふくざつ)などと使われるよ。
 まだ早いけど、何だか雑煮(ぞうに)を食べたくなっちゃった(笑)。
(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)

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