2023年8月13日
水に浸した草木の色で染め上げる「染」
朝顔の汁に布を浸すと綺麗な色に染まるね。今回は「染」を見るよ。元字の左は「氵」で水。糸を染めるときにこの水に大切な役割があるよ。右は「朶」といって花や枝葉が枝垂れている形だよ。それで草花や木が本来持っている色を糸(布)に染め上げることを意味するんだ。
この元字が「染」となったよ。水に植物をつけて色を出すから「氵」があるんだね。そこから色を(染める)の意味で染色・染料・染織と、色が他に「染みる・染まる」ことも表し、伝染・感染・汚染などと使われるね。ちなみに煙が目に、薬が傷に「しみる」は染みるではなく「沁みる」と使うよ。また、「大人じみた服を着ている」は、染みが付いているのではなく「のような」という意味だよ。
(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)
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