2023年8月20日
糸束のもとを括った形の「素」
あなたの素顔、素敵ですー。そこで、前回取り上げた「染」との関係で分かりやすいのがこの「素」だよ。元の字は真ん中の下部が「糸」で左右が「手」になっている(金文)。上部は糸の束を括っていることを表している。糸の束を染める時、糸束を括って染料(色水)に浸すよね。すると括っていた部分には染料には染み込まずに元の白い糸のまま残るよ。その部分を「素」というんだ。
そこから色がついていない、手を加えていない「元のまま・土台・しろ」の意味で素材・素質・元素・素性と使うよ。また、「何も加えない・混じらない・ありのまま」で素足・素手・素直・素行・簡素・質素」と用いるよ。
ほう、にしては素晴らしい出来だね!とも使えるね。
(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)
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