2023年9月 3日

「賢」はかしこく、霊力のある、盲目の人

20230901_kanji01.png  (かしこ)くありたいと願う人は多いのではないでしょうか。今回は以前説明した「(しん・じん)」を含む漢字、「賢」について考えます。
 常用漢字にある「賢」は「(けん)」と「(かい)」からなり、本字は「臤」です。
 「臤」は、上方を見る大きな瞳「臣 (20230901_kanji03.png)」です。その瞳を手の指「又 (20230901_kanji04.png)」で刺し、傷ついた目は視力を奪われ、神に仕える盲人(もうじん)神瞽(しんこ))となりました。
 それに古代では貴重な財宝とされていた「貝 (20230901_kanji05.png)」が加わります。神に仕える神瞽の中の才能豊かで財力もある人が賢者(けんじゃ)とされ、「賢」はかしこく、霊力(れいりょく)のある盲目(もうもく)の人という意味になりました。
 ちなみに良妻(りょうさい)賢母(けんぼ)は日本の熟語で、中国では賢妻良母というそうです。
(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)

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