2023年10月 8日

まるく相手を抱きこむ心を表す「恵」

277_text_02.png  恵の秋が来ました!実りの秋ともいい、柿や栗などおいしい物がいっぱい出回ります。今回は「恵」についてお話します。
 旧字体の「惠」で見ると、上部を括った袋の形を表す「叀」と人間の心臓を表す「心」が組み合わさった会意(かいい)文字で、「引き締まった心」を表します。その後、まるく相手を抱きこむ心を表す様子から、「思いやる・めぐむ・いつくしむ」という意味となりました。
 読みは音読みでは「ケイ・エ」。訓読みでは「めぐ(む)」です。語例としては、「恩恵(おんけい)」「知恵(ちえ)」「恵方(えほう)」「(けい)(あい)」など。日常では常用(じょうよう)漢字体(日常生活で使う字体)の「恵」を使うことが多いですが、「惠」は人名用漢字で名前にも使えます。
 さあ、秋本番です。秋の「恵み」をいっぱい食べ、秋を十分に楽しんでくださいね。
(産経国際書会副理事長 山本晴城)