2024年5月19日
交易の場で足を止め品定め「市」
元日の能登半島地震で火災に遭い、開けなくなった輪島朝市(石川県輪島市)も復興しつつあるようです。今回は「市」を取りあげます。
古代、村人の集まりやすい郊外には広場があり、男女が歌や舞などを楽しむ「歌垣」といわれる行事がありました。
交易が行われるようになると、そこに目印となる高い標識を立て、監督者の下で市が開かれ、物が売買されました。
古代文字の金文の市()は、標木を立てた形の上に止()まる意味。売り手と買い手が足を止め、品定めする様子が想像できます。後に朝は朝市、大市は午後から夕暮れ、夕市は夕暮れからと、扱われる物によって市の時間帯も変わってゆきました。
輪島朝市が早く復興できますように。
(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)
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