2024年8月 4日

「第」は「弟」から成立

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 14日から東京・上野の東京都美術館で、産経国際書展がスタートします(21日まで)。今年は()41回。今回は、「(だい)」や下部の字形が同じ「(おとうと)」を見てみましょう。
 中国・後漢時代の儒学者、許慎(きょしん)が著した字書「説文解字(せつもんかいじ)」には「弟」が記載されています。しかし、「第」は不記載で、古代文字の甲骨文にもありません。
 弟は(ほこ)に巻きつけるなめし革のヒモの象形で、下から順に巻く(20240804_text_03.png)ことから、順序を意味する字になりました。
 後に「弟」の上に竹が付き、竹の札に文字を書いた竹簡(ちくかん)を順序よく束ねることを「第」(20240804_text_04.png)とし、やはり「順序」の意に。そして弟が兄弟の「おとうと」の意で使われるようになりました。ちなみに部首索引は弟が「弓」、第は「竹」です。

(産経国際書会常務理事 眞田朱燕)

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