脚の高い食器に穀物を山盛り「豊」

　皆さんは心に余裕はありますか？心に余裕があると、精神的にも豊かになりますね。今回は「豊」についてみていきます。
　「豊」は、自然の恵みや経済的な富など、「豊かさや繁栄を象徴する文字」として日本でも受け継がれました。
　旧字体では「豐」と書きます。漢字を分解すると、「山＋丰（草木が茂る様子）２つ＋豆」となります。
　「豆」は「たかつき」と読んで脚の高い食器を表し、その食器に穀物を山盛りにして供えることから、「豊」は「おおい、ゆたか」の意味となりました。
　「豊」は物理的な豊かさだけでなく、精神的な充実や美しさをも表現し、人名にも使われる漢字です。余裕のある豊かな心を持って日常を過ごしたいものです。

（産経国際書会専管理事　鈴木曉昇）