2024年10月21日

手紙を中継する宿場「郵」

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 10月1日から郵便料金が 30年ぶりに値上げされました。郵便離れの加速を憂慮しつつ、今回は「(ゆう)」を見ていきます。
 「郵」の字は、「(すい)」と、右側のつくりの部分「(おおざと)」で構成されています。
 「垂」は、上から地面の土へまっすぐ垂れ下がった稲穂の象形です。上から下へ流れるイメージは、中央の都から(はるか)か遠い地方都市へ下る様をも想起させ、「垂」に辺境の意味が出てきました。
 一方、「(おおざと)」の字は、集落を示す「(ゆう)」が変化したもの。囲いや枠、土地の区画などを示す「口」と、人が座った様子を表す「巴」に分解できます。
 つまり、「郵」の字は、辺境で人々が集まる集落、すなわち宿場の意となり、これ1文字で「しゅくば」と訓読みもします(常用漢字表外)。また、宿場は、公用の手紙や荷物を中継する人が集う場でもあり、「郵」の字は郵便を示すようになりました。

(産経国際書会副理事長 山本晴城)

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