2025年1月13日

壺の中でよく熟れた水「酒」

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 昨年12月に「伝統的酒造り」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録されることが決まり、世間をにぎわせています。そこで今回は「酒」という字についてお話ししましょう。
 最も古い文字である甲骨文(こうこつぶん)の「酒」という字を見ると、2つの部分から構成されています。
 左側の部分は液体のことで、「水」を意味します。右側の「(しゅう)」は壺のような形をした容器を表しています。この「酉」という字の音は、「よく熟れた」という意味を持つ「(しゅく)」からきています。よって酒壺の中でよく熟れて発酵した液体、すなわち酒を意味するようになりました。
 漢和辞典で「酒」という字を調べると、「(さんずい)」の部ではなく、「酉」のところに分類されています。そこには「酉」を使い、「醸」「酔」などお酒にまつわるたくさんの漢字が載っています。

(産経国際書会副理事長 町山一祥)