2025年2月17日

飾りひもや櫓の意「冓」

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 購買、構図、講義...。3つの熟語の共通点である「(こう)」を見ていきます。
 甲骨文では上下につなぎ合わせた飾りひもの象形となり、「組む」「組み合わす」を意味します。これに「(おんなへん)」を付けた「(こう)」は結婚の意に。交戦国が互いに取り決めて平和状態に戻ることを「媾和」(常用漢字では講和)と書きます。
 一方、「(きへん)」を付けた「構」は木を組み合わせた(やぐら)の象形。その様子から全体を構成するとの意味が出てきました。
 「(ごんべん)」を付けた「講」は、言葉を組み立て解き明かすことを表します。「講演」などの使い方があります。
 さらに、「(かいへん)」を加えた「購」は買い求めるの意。「貝」は、古い時代に貨幣代わりに使われた貴重な子安貝(こやすがい)の象形です。

(産経国際書会副理事長 勝田晃拓)

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書・勝田晃拓