2025年3月 3日

つながりを示す糸巻きの糸「孫」

20250303_kanji01.png

 「孫は子よりもかわいい」なんて言葉がありますね。今回は「孫」の成り立ちを見ていきましょう。
 「孫」の字は、「子」(こどもへん・こへん)と「系」の2つから成り立っています。「子」は、文字通り子供の象形で、生まれたばかりの赤ん坊。「系」は糸巻きに巻かれ、伸ばされ、つないでいった糸の様子を表現したものです。ここから「孫」の字には、未来へのつながりや継続の意味が出て、子孫を表すようになったようです。
 また、祖父を祭る古代中国の儀式で、孫は飾り糸の装飾品を身に着け、亡くなった祖父の代わりに祭られていました。これを想起して「孫」の字が生まれ、「(まご)」の意味になったとする説もあります。

(産経国際書会専管理事 鈴木曉昇)

20250303_kanji01.png

書・鈴木曉昇