2015年12月25日
[84]専管理事・東洋書芸院副理事長 西川万里さん(63)
心に描くイメージのままに
高校1年の時のクラス担任でもあり、書道教師だった現代書家の故・佐野丹丘氏に20歳くらいから本格的に師事し、「少字数書」を中心に学んだ。丹丘氏の指導法は、文字の構成などに助言をするとともに、とくに余白の生かし方に重点をおき、作品に命を吹き込む方法だったと振り返る。これらは的確であり、勧められて出品した公募展では多くの入選や入賞につながったと感謝を忘れない。
東京・上野の東京都美術館で来年1月4日から16日まで開かれる「TOKYO書2016」には、東洋書芸院を代表して初めての挑戦という超大作2点を出品する。
そのうちの一作「月」(縦3.6×横2.7㍍)=写真=は、黒い紙を用いて白い絵の具に金粉、銀粉、接着剤などを調合し、暗闇に浮かぶ寂しい月を表現した。この手法は、第11回産経国際書展で当時の最高賞である会長賞を受賞した作品を集大成として20年間にわたって封印してきたもの。「心に描いたイメージのままの作品」を目指して、さらなる集大成へと再び挑戦が始まった。
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