2017年6月 2日
[102] 産経国際書会副理事長・書融会主宰・大阪CMO文化学院代表正川子葉(まさかわ・しよう)さん(67)
来年、節目の書業50年を迎える。子ども、大人の書写検定、漢字検定取得のための勉強方法として書き込み式資料を作成。また実用書道を普及させるために細字、ペン字等に特化したきめ細かな指導が持ち味だ。「継続が一番の力。続けていれば必ずものになる。そのための指導を心がけています」と話す。
書の道に入ったのは、18歳のとき。正川さんの誕生日の朝に、最愛の父が46歳で早世したことがきっかけだ。大学進学を断念、家業の自動車整備工場で車の洗車・ワックスがけを手伝いながら、生来の子供好きを生かす道として、書道教師の道を選んだ。
「学校の授業で表彰されたことが唯一の頼りでした。あのときの嬉しさが今日につながった。がむしゃらに書いて1年で幾つかの団体から教師免状を取得し、19歳で子葉学院を始めました」
開塾後は、奈良県在住の書家、北谷鍾朋先生に一時師事。「教える事も勉強」と励まされ、指導を通じて得るものの多さと感謝の念に気づいた。
平成19年には淡路島に阪神淡路大震災の慰霊碑を建立、1万6000通の写経を奉納するなど社会貢献も。
「今、大切にしたいと思うのは日本の和へのこだわり。着物など和の世界を書作品に生かしたい」(福本雅保)