2018年1月26日
[109] 産経国際書会常務理事・煌心書道会理事兼副事務局長 戸叶幽翠(とかの・ゆうすい)さん(72)


「書いているときは全体を俯瞰できずに、不安の中で孤軍奮闘の毎日でした」
29歳で書会最高顧問を務めた故山田松鶴氏の鶴心書道会に入門し、産経展は2回展から出品。4回展でニッポン放送賞、16回展で当時最高賞の会長賞を受賞と華やかな書歴が並ぶ。
「私の場合、とにかく、人に恵まれたと思う。今も同じです」
21歳で結婚した嫁ぎ先は3代続く教師の家系で、祖父は書家。義母も、かなの素養があった。小学校に入学した長男と一緒に始めたはずが、いつしか自分が夢中に。そんな自分の作品を義父や義母が見てくれ、陰に陽に応援してくれた。
漢詩創作は8年前、自詠書の大家、石川芳雲先生一行と台湾研修旅行のチャンスを得たのち、帰国後すぐに国士舘大の鷲野正明教授に入門、以来産経展もほとんど自詠書を出品している。
「漢詩の作法には四苦八苦しますが、自分の目で見たこと、感じたことを書作に表現できることに、大きな喜びを感じています」。
(福本雅保)