2018年1月26日

[109] 産経国際書会常務理事・煌心書道会理事兼副事務局長 戸叶幽翠(とかの・ゆうすい)さん(72)

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20180126_2.jpg  24日に東京・六本木の国立新美術館で始まった「第34回産経国際書展新春展」(2月5日まで、30日は休館)。その目玉のひとつ、大作部門に、自作の漢詩「花園即景」(縦370×横70センチ×4)=写真=を出品している。
 「書いているときは全体を俯瞰できずに、不安の中で孤軍奮闘の毎日でした」


 29歳で書会最高顧問を務めた故山田松鶴氏の鶴心書道会に入門し、産経展は2回展から出品。4回展でニッポン放送賞、16回展で当時最高賞の会長賞を受賞と華やかな書歴が並ぶ。
 「私の場合、とにかく、人に恵まれたと思う。今も同じです」
 21歳で結婚した嫁ぎ先は3代続く教師の家系で、祖父は書家。義母も、かなの素養があった。小学校に入学した長男と一緒に始めたはずが、いつしか自分が夢中に。そんな自分の作品を義父や義母が見てくれ、陰に陽に応援してくれた。
 漢詩創作は8年前、自詠書の大家、石川芳雲先生一行と台湾研修旅行のチャンスを得たのち、帰国後すぐに国士舘大の鷲野正明教授に入門、以来産経展もほとんど自詠書を出品している。
 「漢詩の作法には四苦八苦しますが、自分の目で見たこと、感じたことを書作に表現できることに、大きな喜びを感じています」。
(福本雅保)