2018年7月27日
[115]産経国際書会副理事長・尚友会代表・東洋書芸院副会長 岩間清泉(いわま・せいせん)さん(75)
27日に開幕した「第35回記念産経国際書展」で、栄えある内閣総理大臣賞を受賞した。「受賞の知らせを聞いたのが、師の佐野丹丘(元産経国際書会名誉顧問)の命日(6月13日)から1週間後でした。高校から学んだ師匠と同じ賞(佐野氏は21回展で受賞)をいただけるなんて本当に感無量です」
静岡県沼津市の出身。中学までは自宅近くの塾で書道を学んではいたが、進学した沼津西高校では合唱部を選んだ。ところが、書道教師だった佐野氏から熱心に誘われ書道部へ。いきなり書かされたのが、書写書道とは全く異なる「一字書」だった。
佐野氏は現代書の大家、上田桑鳩の高弟。年に数回ある桑鳩の錬成会では、墨摺りの手伝いをしながら、桑鳩の自由自在な筆使いに魅了され、現代書のとりこになった。
受賞作「ほほえみ」は、字の形から離れ、細い線の強さとまるみで、温かみを表現した意欲作。「近代詩文から一字書と、書く作品はずっと変化してきた。墨摺りから始めて、部屋が墨の香りで一杯になると、幸せな気分になるのは今も同じですが...」と笑う。
豊富な海外経験から、記念展では、特別企画「書で結ぶ世界と日本」のため、米国やインドネシア大使の書道指導も行った。
「書道は世界に誇る日本の文化。少しでも良い作品を書き続けたい」
(福本雅保)