2018年8月31日
[116]産経国際書会副理事長・心芸墨美作家協会理事長 岩浅写心(いわあさ・しゃしん)さん(76)
「第35回記念産経国際書展」で、今回特別に設けられた「日中平和友好条約締結40周年記念賞」を受賞。旧知の賀怡蘭・在日中国大使館二等書記官から賞状を贈られ、「出来の良い作品ではなかったのに申し訳ない」と照れた。受賞作は「書と印のコラボ」という副題付き。淡墨の「虚心」の字に合わせ「坦懐」と彫られた白文の印が鮮やかなユニークな作品だ。
中国訪問は28回。そのほとんどを碑林、石碑の訪問、文房四宝の研究に費やした。
書を始めたのは中学1年のとき。担任から字の汚さを指摘され奮起。書道部に入り、地元信州大の学童コンクールで次々受賞、「やればやるだけ身に付く」と書の魅力に取りつかれた。
4人兄弟の長男で、父が病に倒れたため、早くから職に就いたが、書だけは諦めなかった。清水無尽、酒井康堂について篆刻を学び、独学で文字学も研究。日々の研鑽を欠かさない。
「文字単一の美しさ、面白さを感じてもらう『文字の絵本』がライフワーク。独自のものを書き続けたい」と意欲をみせる。
心芸墨美作家協会主催の「第33回全国臨書摸刻展」を9月7日(金)から9日(日)まで、さいたま市浦和区の埼玉会館で開く。
(福本雅保)