2018年9月28日

[117] 産経国際書会副理事長・日本書芸心龍会師範会副理事長 村田白葉(むらた・はくよう)さん(70)

第35回記念産経国際書展出品作品「華察 秋日観稼楼暁望」(縦240センチ×横60センチ)
村田白葉(むらた・はくよう)さん  今年で35回の節目を迎えた「産経国際書展」の審査本部長。6000点を超える出品作の1点1点を大切に、公正な審査に心血を注いだ。
 「クリーンな審査は書展の命。審査員が集中できるよう心がけた」と笑顔をみせる。
書を本格的に始めたのは社会人になった18歳から。「生涯続けられる趣味を持ちたい」と競書誌の購読を始めた。もともと小中学校で毎年席書の代表に選ばれ、高校では海外展特選という実力の持ち主。すぐに師範を獲得、鈴木千崖に師事し、毎日展にも出品を始めた。
 転機になったのが、心龍会を主宰する村越龍川会長(産経国際書会最高顧問)との出会い。35歳のとき知人に紹介され、作品を酷評された。「すべてがなっていないと、本当に『ボロクソ』でした。でもおかげで負けん気に火が付いた」。
 31歳で授かった長女が寝静まる夜中に筆を執り、100枚書いて師を驚かせたことも。少字数書を書いていたが、これを契機に多字数書に魅せられ、王鐸、何紹基などの臨書、かな、さらには篆書にも取り組んだ。
 産経展には4回展から出品し、16回展(平成11年)で国際大賞(漢字)、17回展(同12年)では、会長賞(かな)を受賞。以後意欲的に、多彩な作品を毎年発表している。
  「『自己の心情を表出した作品』が目標だが、まだまだ未熟。さまざまな書線、表現を追及しています」。
(福本雅保)